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八○年代後半以降、米国の金融システムは金利自由化の影響を大きく受けたS&L(貯蓄貸付組合)の破綻、商業銀行の三つのLの問題(LDC、LBO、LAND、途上国累積債務、レバレッジを利かせた企業買収、不良不動産)等により、大きな動揺を経験しました。 これを契機として、九一年末にFDICIA(連邦預金保険公社改善法)が成立し、健全金融機関には経営の自主性をーアムの最大の特色は、銀行が証券業務を含む幅広い業務を行い得るという、いわゆるユニバーサル・バンキング・システムをとっている点にあります。
実際、主要金融機関は一八七○年初頭に設立された三大銀行( Dバンク、Cバンク、Dバンク)を中心に幅広い業務を行いつつ、発展してきました。 ドイツの主要金融機関はユニバーサル・バンクと専門銀行(特別の目的のために設立された金融機関で不動産信用を扱う抵当銀行などを含む)とからなっていますが、現在、金融機関群の中核をなすのは、ユニバーサル銀行であり、これは民営商業銀行(三大銀行、地方銀行、個人銀行、外銀支店)、信用協同組合、公営貯蓄銀行の三グループに大別されます。
こうした金融システムの採用は金融市場の形成にも大きな影響をもたらしています。 すなわち、ドイツでは企業・公共部門とも資金調達を主として銀行借入に依存してきたうえ、企業等が資金運用する際も、自由金利の預金商品による運用が主体となっています。
これらの点に関してはドイツの中央銀行であるブンデスバンクが、@金融は銀行を通じて行われた方が、金融政策の有効性を確保するうえでやりやすい、A発行されたCD等が非居住者によって取得されることにより、マルクの国際化が進むことは望ましくない、などの判断を持っていたことも影響してきたとも言われています。 ブンデスバンクはこのような金融システムのもとで通常の公定歩合に加え、金融機関の一時的資金不足に対して適用するロンバート・レートという政策金利の変更や、インター・バンク金利の適切な誘導に成功し、優れた政策効果を上げてきました。
しかし、最近では、ドイツ企業の内部資金比率が高まる中で、銀行借入が減少するとともに、海外金融子会社を通じた証券形態の資金調達(ユーロCPの発行、スワップ債の発行等)が増加しており、ドイツ金融市場もまた各国金融市場での証券化(セキュリタイゼーション)の例外にはとどまり得ないことを示しています。 なお、ドイツ統一以前の旧東ドイツにおいては、中央銀行である東独国立銀行が、中央銀行業務と商業銀行業務を兼営していました。

しかし、一九九○年のドイツ統一のプロセスにおいて、東独国立銀行は、まず九○年四月一日に商業銀行部門を「 D クレディートバンク株式会社」として分離独立させ、その後本体も「 B 国立銀行」と改称のうえ、政府系金融機関として再発足しました。 この間、旧西ドイツの金融機関は、独自の店舗展開に加え、D バンク等大手行を中心にD クレディートバンクとの合併銀行の設立を活発に行い、東ドイツへの進出を積極的に進めてきました。
なお、金利自由化による競争の激化から旧西ドイツの金融機関間では合併の動きが活発化し、金融機関数がかなり顕著に減少するとともに、金融機関の倒産件数も増加しました。 こうした破綻の事例では、収益状況の悪化から、リスクの大きい為替投機に走って失敗した T 銀行のケースを代表的事例とする七三?七五年にかけての中小銀行の一連の破綻が有名ですが、その影響は競争力の弱い中小金融機関に限定され、金融システム全般を混乱に巻き込むような規模とはならずに済んでいます。
しかしながら、これをきっかけとして、預金保険制度の拡充、信用制度法改正、流動性供給のための特殊銀行設立などの信用秩序維持対策の整備が図られています。 イギリスの金融システムイギリスにおいては、一九七九年に銀行法が制定されるまで、当局の規制・監督の根拠となる銀行法は存在せず、このため、金融機関の業務範囲が歴史的に形成されることにより、次第にひとつの金融システムという形をとるようになってきました。
このことは、規制的枠組みとしては、銀行が証券業務を含む幅広い業務が行い得るという、ユニバーサル・バンキング・システムをとっていた、とも言えます。 実際、マーチャント・バンクは、古くから、起債、株式発行など証券発行業務と銀行業務を兼業してきました。
しかし、他方、歴史的に短期金融はクリアリング・バンク、中長期金融はマーチャント・バンク、という銀行業務における長短期金融の分離や、証券取引において、委託売買を担当するブローカーと自己売買を専門に行うジョバーの分離など、分業主義的な側面が色濃く残っていた、とも言えます。 イギリスの主要金融機関を類別すると、@国内大衆からの預金をベースに短期金融を行う商業銀行(この中核をなすのは、ロンドン手形交換所加盟銀行で、一般にC バンクと呼ばれます。
なかでも中心的存在は、B バンク、Nバンク、M バンクのいわゆる四大銀行です)、A起債・発行を含む長期金融、貿易金融、投資顧問業務等、法人取引を中心に多様な業務を行っているマーチャント・バンク(引受商社と呼ばれることもあります)、B各種短期証券のマーケット・メーカーであり、E 銀行と民間金融機関を仲介する割引商社、C主として対企業取引、ユーロ取引に進出している外銀(イギリスでは、E 銀行から免許を受けることにより、国内銀行と同様に営業可能。 欧米・日本の金融システムと金利自由化1960年代以降発展した並行市渇は、インター・バンク預金市場、ポンド建CD市場などから成り、主として参入が自由な無担保・自由金利市場であったことが患成長の背景とされています。
E 銀行は、当初、並行市場と割引市濁を分断し、並行市場に対し否定的な対応をとっていましたが、その規模が拡大するにつれ、両市場間の金利裁定がよりスムーズに働くよう、割引商社の並行市場への進出を潔可するなど、前向きにこれに働きかける方針へと転換し、現在では両市場の市場参加者の融合と金利裁定の活発化が実現しています。 国内大衆からの預金をベースに短期金融を行うリテイル・バンキング部門では、クリアリング・バンクの力が強いため、外銀の進出はあまり多くありません)、D住宅金融専門機関(住宅金融組合)、となっています。
また、イギリスの金融市場は、他国に比べて、外部資金依存度が低いことが指摘されています。 外部資金の調達構成をみると、銀行借入、株式等の調達源が金融情勢によって切り替えられ構成比が大きく変動する(例えば、オイル・ショックを契機とする高金利期には、社債発行が見送られ、社債は償還超となった)のもひとつの特色とされています。

短期金融市場は基本的には、イギリスの中央銀行である E 銀行の金融政策の場であり、コール市場、手形市場、TB市場から成る割引市場と、六○年以降急成長した並行市場(いわゆるパラレル・マーケット)に大別されます。 イギリスの金融市場は急速に変化しつつ、発展してきていますが、その変化は二つの大きな出来事により、一層加速されました。
第一の出来事は七九年の為替管理の完全撤廃です。

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